それはまばゆい光と共に
地面から浮き上がってきました。







「おお!!」
またもワンダーが叫びました。


「あれ?あの子、笑ってるね。」
「驚かないのでしょうか・・?」


そう。その子は笑っていました。
ワンダーが出てきたときとは大違いです。


そして全身が地面から出たあと
ゆっくりと2人の前に歩いてきました。



「こんにちわ〜。」
「こんにちわ〜デス。」


それでもその子はにやついていました。

そしていきなり言葉を発したのです。



「あ〜。まったく!!ワケわかんないっつ〜の!
あたいをこんな風に描いたのはどっち??
あんた?あんたでしょ!?
なんかボケ〜っとした顔してさ!
絵なんかほんと上手くない顔だわ、こりゃ。
ははは!!!
あんた責任とりなさいよ?
あたいをこんなに描いた罰ね!
うん?
何よ、きょと〜んとした顔してさ。
あたいの顔になんかついてる??
っていうかさ〜
あんたのその耳なんなの??
なんかの役に立つの?
まぁ、美味しそうではあるけれども。
言うこときかないと、あたいがその耳食べちゃうわよ!!!!
ぶわっはっは!!!」



2人は思いっきり10歩 後ずさりをしました。


「プ・・・プ・・・プログレ様〜〜〜!」
「おいらは何も知らない・・・おいらは何も知らない・・・・おいらは・・・・」
2人は恐怖に怯えきっていました。

「なんていう悪魔を呼び寄せたのですか!?
メデューサですか!?ピサロですか!?」
「あんな悪魔知らないよ!!
でも早く逃げないとワンダーが食べたれちゃ・・・」















「誰が悪魔だってぇぇ〜〜???」

「ぎゃあああぁぁぁぁ!!!!」
「おいらは食べても美味しくないんだよ!
美味しいのはそっちのおデブちゃんだよ!!!」
「し・・失敬な!!!この期に及んでなんてことを!!!!!
ひぃ!!でも命だけはお助け〜〜〜〜!!!!」


女の子はポンと2人の頭を叩いてこちらに向かせました。

「ははは!引っかかった〜〜〜♪」
「ほえ??」
「これはあたい風のあいさつよ。
なに本気でびびってんのさ〜。まったく。ふふふ。」
 
そういって女の子はにっこりと笑いました。
気がつくとワンダーはめちゃくちゃ泣いてました。






「そういえばここはどこ?」
「うーん、それはおいら達にも分かんないんだ。」
「また悪魔が言葉を発しおったわい!!」
「こら!ワンダー!悪魔さんに失礼じゃないか!」
「い・・いや、だから悪魔じゃないっての・・・・・」


3人はワンダーが落ち着くのを待ちました。













「・・・え?あたいの名前?」
「うん。そうだよ。
おいらはプログレちゃんで、こっちはワンダーって言うんだ。」
「あたいの名前か〜。
うーん・・・・
なんだったっけ???」
「やはりワタクシと同じですな・・・。」
「なら自分で決めちゃいなよ。
ワンダーも自分でつけたんだよ?ぷぷぷ・・・」
「ま・・またまた失敬な!!!」


女の子はうーん・・と悩んでました。

「いきなり名前なんてねぇ・・・・。
あたい的には早乙女 麗子・・」
「【ガー子】がいいんじゃない??ガーガー喋るしね♪」
「おお!そいつは傑作ですな!」
「(こいつら怖がってるわりにケンカ売ってくるな・・・)」


しばらく考えて女の子は言いました。


「わかったわ。いいわよ、ガー子で。
その代わり・・・・」
「なんデスカ?」
「あんた達の呼び名は、あたいの好きに呼ばせてもらうから。
あんたはプログレ。変な名前ね。
んで、あんたはワン公。」
「ナンデスト!!?ワン公とは!!!
ワタクシの事をただのワン公だと思ったら大間違いですぞ!!」
「自分でワン公って言ってるじゃん・・・。」
「はぁう!!!!!」






2人でいるときよりも、とってもにぎやかになった3人。
それから色々なことを話しました。

ガー子の記憶があまりないこと。
ガー子の主人もわからないこと。
そしてガー子の主人も捜すこと。

色々な話をするうちに
次第に旅は本格的になってきていました。




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